ニュースタイトル

カネヒロがお届けする、旬のニュースです。

【2008年】

カネヒロニュース/12月号
 秋期漁でにぎわいをみせたサンマ、アキサケ漁は11月下旬で終漁となり、根室の花咲港では、主に鍋やフライの食材として利用されるマダラの水揚げが始まっています。
 今年のサンマ漁は北海道全体の水揚げ量よりも本州の水揚げ量の方が多くなっていますが、これは11月下旬まで本州を中心に連日約3,000tもの水揚げが続いた事が要因となっています。
 アキサケ漁は根室の3港で昨年比の約34%減となっており、品薄感で浜値も例年に比べ、高値に推移しました。4年前後に回帰するアキサケの数量は減少するのが確実とされ、今年の採卵数は昨年の80%程度にとどまっています。回帰数の減少の原因は不明とされていますが、4年ほど前からのオホーツク海の水温上昇が何らかの原因の可能性もあるとされています。他国では、カナダでも回帰数が減少していると報じられていますがアラスカ州では例年並みといわれています。
 冬期漁のメインとなるマダラ漁は主にはえ縄漁、底引き漁、刺し網漁などの漁で漁獲されます。現在、はえ縄漁での水揚げが主で、ロシア200海里水域での操業となっています。1航海5日程度で比較的鮮度の良いものが多いようです。漁模様は低調で高値で推移しており、漁業者はこれからの漁に期待をかけています。

カネヒロニュース「つり情報」
 根釧原野にも初雪が舞い、所々、うっすらと雪化粧した大地が冬の訪れを告げています。道東の各河川では11月末から流れの遅い下流域で既に結氷し始めており、河川での釣りはラストチャンスとなっています。
 根室の風蓮川では、ターゲットのイトウを求め、各有名ポイントには釣り人の姿が絶えません。11月中の釣果はコンスタントにイトウの姿が確認されており、90cm級を筆頭に70cm級から50cm級のイトウが釣りあげられています。また、アメマスやウグイなどの釣果も12月上旬までは期待できます。しかし、これはあくまでも水質の条件が良い場合で、一部の悪質な酪農家による人為的な牛の糞尿の不法河川廃棄が未だに行われている根室では、廃棄時には青く濁った腐敗臭のする河川へと変貌します。ラムサール条約に登録されている風蓮湖周辺の湿原を管理する団体や野鳥の会等がこのような行為に法的手段で摘発することが最も有効とされますが、何らかの情報によりその行為は未然に隠ぺいされ、その実態が特定されにくいのが実態です。
 根室周辺の海岸では、この時期、冬の風物詩となるコマイの本格的なシーズンを迎えます。イソメ等を使用した投げ釣りがメインで釣りあげたコマイは一夜干しや煮付け、三平汁等で食されます。
2008.12.2

カネヒロニュース/11月号
 日々、冬の到来が感じられる頃となり、北海道の内陸では初雪の便りも聞かれています。
 根室前浜の海水温も10月下旬頃から急激に下がり、アキサケの後期群の回遊が始まっています。銀毛できれいな魚体が主体で目廻りも一回り大きいのが特徴で、この魚が水揚げされ始めれば、アキサケ漁も終盤戦を迎えることとなります。10月以降も漁獲は伸びず、浜値は高値で推移しています。イクラ、筋子などの魚卵製品や新巻サケ等の値上げは必須で年末商戦への影響は避けられない見通しです。
 7月下旬から道東沿岸で展開されてきたサンマ棒受け網漁は、10月下旬頃までに一段落し、羅臼沖から知床岬にかけての海峡サンマが根室港で水揚げされています。ミール原料となるジャミサンマが主体で漁獲枠の消化が目的とされています。11年連続サンマ水揚げ日本一が気になる花咲港ですが、10月末現在ではその座を維持しています。11月以降は三陸沖が主漁場となり、道東沿岸でのサンマ漁は終漁します。

カネヒロニュース「つり情報」
 紅葉が落ち、本格的な晩秋の風景となりつつある道東の湿原には、多くのカモ類が飛来し、根室特有の秋景色が広がっています。
 10月まで比較的暖かかったこともあり、やぶ蚊等の大発生のため、なかなか足を踏み入れることができなかった湿原の河川では11月以降、ようやく短い本格的なシーズンを迎えています。大型のイトウが期待できるこの時期、多くの釣り人が各河川の有名ポイントに入釣し、思い思いの釣りで秋の深まりを堪能しています。風蓮川にて76cmのイトウの釣果を皮切りに、数匹の釣果が既に報じられています。いずれもフライフィッシングでの釣果で、下流域が好調のようです。また、今年はウグイの姿が多く見られ、外道としてフライにアタックしてきます。水面が凍り始める11月末までが釣期で多くの釣り人が湿原へと足を運びます。
 海釣りではニシンが好調で朝夕の短い時間に集中して釣ることができます。25cm位の良型が主体となっています。これからの時期、花咲港でオオチカが最盛期を迎えます。30cm近い大型も混じり、例年、多くの釣り人が押し寄せます。真冬でも釣り人の姿は絶えず、冬季の貴重な釣魚となっています。また、コマイも美味しい季節を迎え、一夜干しやルイべなどで食され、北海道特有の食文化が脚光を浴びる季節となります。
2008.11.4

カネヒロニュース/10月号
 10月の声を聞くと季節の移り変わりは速く、北海道の屋根、大雪山系では例年通り初冠雪を記録し、日々、冷え込みが増しています。
 9月以降、比較的安定した水揚げを続けている道東沖のサンマ棒受け網漁は主漁場が花咲港から3〜4時間の前浜に形成され、連日、早朝からの水揚げが行われています。組成の方も大、中型魚が中心で食用メインの流通となっていますが、今後は水揚げ量や価格に応じてミール原料等への転換が行われ、受け入れ体制の状況により水揚げ量も調整されます。今月いっぱいが漁期となるサンマ棒受け網漁に根室の街は、一年で最も活気に満ちた季節となります。
 8月下旬に解禁されたアキサケ定置網漁は沿岸水域の海水温が例年より高く推移しており、まとまった魚群の来遊がない状況で根室管内は、昨年比の約6割程度の水揚げ量となっています。10月には日々、海水温の低下が進み、比較的まとまった来遊がみられます。現時点では銀毛の割合が少なく、小型魚が多いのが今年の特徴ですが、これからの魚群に大きな期待が寄せられています。また、はえ縄による釣り物のアキサケにおいては不漁が続いていましたが、今後は好転すると予想されており、良質の銀毛アキサケが水揚げされます。

カネヒロニュース「つり情報」
 秋の深まりが日々感じられる様になり、前浜ではアキサケ釣りが最盛期を迎えています。根室半島の小河川が流れ出る浜では、早朝から多くの釣人が押し寄せ、その人気ぶりがうかがえます。ルアー釣りでの早朝と夕方の短い時間帯が高確率で1〜2匹程度の釣果ですが、その少ないチャンスを生かして釣りあげた充実感は何事にも代えがたい程です。40g程度の大型スプーンにタコベイトを装着し、餌としてサンマのぶつ切りを使用するのが主流となっています。10月下旬までが釣期で遊漁船による沖釣りも北海道各地で行われています。
 根釧原野を流れる河川では秋のイトウ釣りシーズンを迎えており、湿原には多くのカモが飛来し、秋の湿原らしい光景へと移り変わっています。産卵期の春のイトウ釣りと異なり、秋では中、下流域がメインのポイントとなり、大場所での釣果が期待できます。この時期、一日中かけて粘り続ける釣り人が多く、時間を問わず釣れるのが特徴です。
 根室管内では、風蓮川、別寒辺牛川が主流ポイント河川として有名で、その生息数も幾分、回復傾向にある様で50cm程度のサイズのイトウであれば、出会える機会も珍しくありません。しかし、今年はヒグマの目撃数や直接の事故が多く、深追いは危険な状況と言えるでしょう。
2008.10.1

カネヒロニュース/9月号
 初秋の風が吹き、秋の味覚とされるサンマやアキサケの水揚げが最盛期を迎えています。
 8月中旬から全船が交代制で操業しているサンマ棒受け網漁は、生産者団体である全さんま(全国さんま棒受網漁業協同組合)が漁獲制限を実施して、一方的に水揚げ量を削減して取引価格を安定させて価格の暴落を防いでいる一方、加工業者は原魚を確保するため想定外の高値での買い付けが続いています。毎年、この時期、サンマは道東沖に策餌回遊しています、以前は副業的な漁として行われていましたが、サンマの資源量の調査が開始され、その概略が数字化されるまでになった今日、調査船による漁期前の漁予想なども含め、情報が先走りし、それを取り巻く関係者が過敏になりそれに加え、人為的な策略がよりいっそう複雑な状況を作り出しています。9月からは漁獲制限が少し緩和される見通しですが、本来のサンマ漁には程遠い全さんまの暴挙と言っても過言ではありません。
 8月下旬から陸網のみで操業が解禁されているアキサケ定置網漁は8月30日に沖網での操業が解禁となり、9月からは本格的な水揚げが開始されます。国内販路のみでの価格の低迷を防ぐため、輸出向けによる原魚確保が行われて以来、安定した水揚げ金額を維持しています。漁期前半は、肉質も良く、鮮フィレー等での取り扱いがメインとなります。筋子も生鮮の状態で店頭に並べられ、季節感のある販売が行われています。水温が下がり始める、9月中旬からはイクラ、筋子等の魚卵製品の生産が本格化します。アキサケを原料とした色々な製品が開発されている中、最も付加価値を付ける可能性がある魚として注目されています。11月末までが漁期で今後の漁に期待が寄せられています。

カネヒロニュース「つり情報」
 例年、カラフトマスの来遊で賑わう季節になりましたが、今年は極端に来遊数が少なく、空振りに終わる釣り人が多いようです。知床半島の付け根を流れる幌別川河口では釣り人のゴミにより、ヒグマの出没が頻繁になり、立ち入りが禁止されるエリアも出てきています。根室でも小河川での河口が主な釣り場となり、1か所に多くの釣り人が集まるため、トラブルも絶えないようです。人気の釣りだけにそのマナーも問われる所です。9月下旬になれば、アキサケの来遊も始まり、北海道でしか味わえない釣りの醍醐味がより一層の加熱ぶりに火をつけます。
 他の魚種では、水温が下がり始めるこの時期、クロガシラカレイの岸よりが始まります。水温が上がる夏季は沖に分布していますが、秋には大型のクロガシラカレイが深みのある漁港に集まり、格好のターゲットとなります。主に投げ釣りがメインとなり、カジカやコマイ等の外道も姿を見せます。水温が下がりきる冬季には、再び沖へ移動します。また、9月から10月にかけては大型のニシンを岸壁で釣る事ができます。前浜のニシンは種苗放流における資源で毎年、地道な放流活動が続けられています。塩焼き、煮付けに加え、刺身が格別の味とされています。朝、夕の回遊で効率の良いサビキ釣りが主流となっており、電灯を使用した夜釣りなども行われています。10月中旬までが釣期で短い秋を堪能できる釣りのひとつと言えるでしょう。
2008.9.1

カネヒロニュース/8月号
 まだ、肌寒い5月から行われてきたロシア200海里内サケ、マス流し網漁は、8月の1週目の水揚げで最終となり、本年度の漁は大きな事故もなく、終漁を迎えます。燃料高騰が魚価に直接反映されない結果となりましたが、今後のサケ、マス漁の存続においては、大きな意味のある年になることでしょう。
 7月下旬からは10t未満船によるサンマ棒受け網漁が解禁されており、ロシア200海里内での操業が行われています。漁場が比較的遠いものの、漁模様が良く、大型魚中心の水揚げで8月上旬、消費地の販売取組みが本格化していない事もあり、花咲港に集中水揚げされるサンマは供給過剰気味となっています。30℃を超える本州各地の気候の中、秋の味覚とされるサンマを焼いて食べるといった感覚は少なく、産地と消費地との間に感覚のズレがある事は否定できません。
 8月5日からは19t船団の参入により、道東各港でのサンマの水揚げが本格化します。また、8月19日からは大型船によるサンマ漁が解禁され、道東の水揚げ量や相場により、三陸各地の水揚げも開始され、初秋を感じられる季節を迎えます。道東では魚群が南下する10月下旬まで漁が行われ、ほぼ、毎日のように水揚げが続き、産地からの鮮サンマの出荷も続きます。

カネヒロニュース「つり情報」
 北海道にも本格的な夏が訪れ、海の色も灰色から濃紺色へと変わり、道東各地でカラフトマスの来遊が始まっています。今年の来遊時期は例年より1週間ほど早いとされており、7月の下旬には既に各地での釣果が報じられています。しかし、来遊数は少なく、2年に1度の貧漁の年とされています。しかし、この釣りのファンは多く、早朝、夕方には規制のない小河川の河口付近において多くの釣り人で賑わいを見せています。8月下旬には秋サケの来遊も始まり、より一層の賑わいとなります。
 また、道東の各港での投げ釣りでは北海道でおなじみのクロガシラカレイやスナガレイなどが釣れています。しかし、この時期のカレイは身のしまりが悪く、味も水っぽいのが特徴です。遊漁船による釣りも標津などで盛んに行われており、漁師の良い副業となっています。
 各河川での釣りでは上流域でのヤマメ、ニジマス、オショロコマが最盛期を迎えており、1年で最もコンディションの良い魚体が釣り人の目を楽しませています。食しても美味で特に天ぷら等は最もポピュラーな料理法です。川魚は特に鮮度が命で釣りたての魚を河原で食すといったスタイルが最も贅沢な料理法と言えるでしょう。道東各地の河川の上流域は水質も良く、残された数少ないトラウトの聖域とされ、本州からの遠征組も少なくありません。8月いっぱいが釣期でその後は、多くの魚が産卵への準備に取り掛かります。
2008.8.1

カネヒロニュース/7月号
 原油価格の高騰による燃料費の値上げで各産地の漁業に大きな影響を与えている中、根室のサケ、マス流し網漁でも魚価に反映されない厳しい操業が続いています。
 7月、漁の終盤を迎えるロシア200カイリ内のサケ、マス流し網漁は依然としてトキシラズの水揚げが好調で魚の質が落ちてきている事もあり、低価格で推移しています。主にトキシラズを水揚げしている19t船は限られた操業期間中、操業海域を3A区へと移行し、ベニザケを狙っての漁が7月末まで行われます。大型船は、2航海目の1区での操業で定められた漁獲枠内での水揚げが7月中旬以降ピークを迎えます。
 7月8日からは道東沖でのサンマ刺し網漁が解禁となります。年々、過激な販売となるこの時期、漁業者にとっては期待の半面、今年は燃料費等の関係で早い段階での切り揚げが予想されているため、その価格形成に注目が集まります。
 また、根室名産の花咲ガニ漁も7月10日に解禁となります。多くの海産物が水揚げされ、産地根室に本格的な夏が訪れます。

カネヒロニュース「つり情報」
 7月1日、道東各地の河川ではヤマメ釣りが解禁となり、北海道の渓流釣りが最盛期を迎えています。年々、その生息環境が悪化する中、各漁協による稚魚放流でその生息数を補っています。比較的自然繁殖が行われている標津川、忠類川等においては絶大な人気河川として取り上げられ多くの釣り人で賑わいます。
 道東の河川において対象魚はヤマメだけでなく、オショロコマも多く、その釣りを盛り上げます。その圧倒的な生息数を誇る、知床の各河川では地元においては雑魚扱いされる魚ですが、学術上、大変貴重な魚でその生息は限られた地域のみとなっています。
 本州の河川とは異質で特に神経を使わなくても、比較的簡単に釣ることができ、そのあたりにおいては北海道の自然の懐の深さが伺えます。8月中旬までが釣期で、釣り上げたヤマメを河原で頂く天ぷらの味は至福の時とされています。
 また、根室の太平洋沿岸では、アブラコやマカジカ等の磯釣りも最盛期を迎えており、歴史ある多くの大会が開催されています。この釣りの魅力はダイナミックさで超大物を狙える釣り場として根室半島は道内から多くの釣り人を呼び寄せます。
2008.7.1

カネヒロニュース/6月号
 日本200海里内サケ、マス流し網漁の解禁から早、1か月半が過ぎ、根室ではトキシラズの本格的な水揚げで浜は活気に満ちています。漁模様は良好で、1航海を4〜5日程度の短期間で水揚げを続けています。そのため鮮度の良い物が多く、価格も前年を大きく下回っているため、大手の売り先がある買受人達は積極的な取り扱いとなっています。6月中旬にはトキシラズの質が落ちてゆき、また、水温が上昇するに従い、カラフトマスの水揚げが本格化します。
 ロシア200海里内での操業を行っている19t船の水揚げも始まっており、各船、2航海目の水揚げです。2区と称される南千島での操業でトキシラズをメインとした水揚げを行っており、満船の状態での帰港となっています。ベニザケの水揚げも僅かながらあり、新物の本チャン沖ベニは、関係者の注目を集めています。今後はベニザケの主漁場となる水域での操業が行われ、本格的な水揚げが始まります。
 5月の中旬に出漁した大型船は1区と称されるカムチャッカ水域での操業で価格の高いベニザケを主に漁獲しています。年々、操業条件が厳しくなる中、存続をかけた操業が展開されています。6月中旬には良質なベニザケが道東に水揚げされる予定で7月下旬までの漁期に大きな期待が寄せられています。

カネヒロニュース「つり情報」
 早春に放流されたサケ、マス稚魚は河口域までたどり着き、大海原へ旅立つ時期が訪れると同時に、それを追って多くのアメマスも海へと下り、サーフでのウミアメ釣りが最盛期を迎えます。道東の太平洋沿岸では6月から7月にかけて多くのアメマスが沿岸を回遊し、チカやカタクチイワシなどの小魚を捕食して河川では見る事のできない好コンディションのアメマスを釣る事ができます。ターゲットは60cmを超えるモンスター級でダイナミックな釣りが人気を呼んでいます。10〜11ftのロングロットに28g〜35g程度のジグミノーを使用し、高速リーリングでアメマスを誘います。ブルーやピンクといったカラーが効果的で早朝が圧倒的に高確率な展開となります。小河川や湖沼の淡水が流れ込む場所が好ポイントでそういったポイントの開拓もこの釣りの魅力のひとつとされています。しかし、太平洋沿岸は比較的波が高く、危険にさらされる場所も少なくありません。特にウェーダーは必至アイテムですが危険なウェーディングは避けるべきです。
 稀にサクラマスといったうれしい外道が釣れる確率もあり、未知なる可能性を秘めた新たなスタイルの釣りが道東各地で展開されています。
2008.6.2

PH
PH
08.5.23 撮影
日本列島最後の花見。
根室市 清隆寺の千島桜が満開です。
2008.5.26

カネヒロニュース/5月号
 海明けの漁として解禁された日本200海里内サケ、マス流し網漁は5月に入り、本格化しています。4月中の水揚げは、全船が出漁していなかったものの、漁模様は比較的良く、4月下旬の初水揚げでは数量がまとまり、昨年を下回る価格で取引きされています。魚体は昨年よりは大き目で、小型魚が約6割を占める組成となっています。脂ののりは良好で、旬の味として街の鮮魚小売店では、地方発送が絶えないようです。その反面、1隻のサケ、マス漁船が転覆する事故が起きており、さい先の悪い幕開けとなっています。5月からは残りの全船が出漁し、前浜での水揚げは6月下旬まで続きますが、漁業者側では近年にない浜値安となるのではと、不安に包まれた操業となっています。
 5月中にはロシア200海里内での操業が始まる予定で、本年度のサケ、マス市場があらわになる北洋サケ、マス流し網漁が解禁となり、根室、花咲港を中心とし、厚岸、釧路港の道東3港では、水産加工業者の熱い商戦が始まります。

カネヒロニュース「つり情報」
 北海道でもフェーン現象で30℃を上回る気温を記録しましたが、根室では桜の開花にはまだ時間がかかりそうです。それでも北国の春本番といった気候を感じられるようになりました。
 湿原の河川には、これからシベリアでの繁殖期を控えた各種のカモやハクチョウの姿が多く見られ、新緑に覆われた牧草地では6月の出産期を控えたエゾシカの群れが道東の景色に溶け込んでいます。
 今春のイトウ釣りでの釣果は近年にない好調が続いており、風蓮川ではメーターオーバーを筆頭に確認されているだけで10数匹の釣果が報じられています。上流域から下流域までの広範囲での釣果で、60〜70cmのイトウが中心のようです。プラグを使用したルアー釣りがメインですが、下流域では大型のフライを使用しての釣果も多いようです。
 好調の要因として多くの釣り人から聞かれる声は、水質が数年前から良くなってきているという事です。酪農で排出される牛の糞尿の河川への垂れ流しが激減している事が一番の原因と考えられます。また、最下流域でのウライの投入期間が短くなり、河川と海への行き来が比較的自由になった点も挙げられます。河川改修の手が伸びず、この様な河川が今後も存在するような地域はそう多くはないでしょう。
 これからの時期、道東の各河川では、サクラマスの遡上が本格化します。また、放流されたサケ、マス稚魚のほとんどが下流域に集結し、それを追ってアメマスも海へと下り、海岸でのアメマス釣りがシーズンを迎えます。年々、新たなポイントが開拓されている釣りで、道東では注目度No.1の釣りとなっています。
2008.5.7

PH
08.4.14 8:40AM 撮影
北の風で知床から流氷がまた流れて来ました。
4月の今頃としては最近では珍しい光景です。
2008.4.14

カネヒロニュース/4月号
 道東沿岸を覆っていた流氷もすっかり姿を消し、本格的な海明けの漁となる10t未満船の日本200海里内サケ・マス流し網漁の解禁が間近に迫っています。正式日程は未定とされていますが、4月中旬以降の出漁予定になるとみられています。この漁の大半の船団を占め、主産地となる根室市は、年々、衰退の一歩をたどっている漁に今年こそはと期待を込め、出漁準備に追われています。すっかり高級魚となった以西船ブランドのトキシラズ。その癖のない日本人好みのさっぱりとした脂は北の荒海が育んだ春季の味覚にふさわしく、毛ガニ同様、代表的な旬の味とされています。大都市の高級鮮魚店や百貨店等では、1切、1,000円以上の価格が付けられ、水揚げ港各地でのブランド化も進んでいます。昨年の水揚げは、早春、小型魚が中心の水揚げだった事もあり、その魚体組成や価格形成等が注目されています。
 根室の前浜では流氷の移動と共に沿岸漁業の代表とされるカレイ刺し網漁が始まります。年々、その資源量は減少しており、その種苗生産の活動に漁協は力を注いでいます。クロガシラカレイ、タカノハガレイ、クロソイ、ニシン、ウニ等、北の海ではおなじみの魚種が主に生産され、稚魚放流されています。この放流にも幾つか課題が残されており、中間育成の期間、放流時期、サイズなどが検討されています。
 4月以降、色々な魚種が水揚げされ、根室の前浜は長い冬の沈黙から賑わいを取り戻します。

カネヒロニュース「つり情報」
 早春の暖かな風が大地を覆っていた雪を溶かし、北の大地、北海道は着々と春の気配が感じられる様になりました。
 道東の各河川は、完全に氷が落ちて春のアメマス釣りがシーズンインしています。この時期、1年で最も賑わいを見せ、十勝川・阿寒川・釧路川・別寒辺牛川・別当賀川・風蓮川・床丹川・当幌川・西別川・標津川・斜里川等、1シーズンでは到底、回りきれないフィールドが数多く点在しています。
 その中でも、昨年同様、別寒辺牛川での釣果が型・数共に郡を抜いており、その生息環境の良さが伺えます。50cm程の大型魚を中心に数十匹単位の釣果が期待できます。ルアーに関しては、特にこだわる必要性がない様です。
 アメマス同様、イトウもベストシーズンを迎えており、風蓮川・別寒辺牛川で釣果が期待できます。春は大型魚がほとんど上流域へ産卵のため遡上しています。中・下流域では産卵に加わらない若い個体が中心に集まります。既に3月下旬、数匹のイトウの釣果が報じられており、今年は比較的、早い展開となりそうです。その典型として、3月下旬にサクラマスも標津川・別当賀川にて釣り上げられており、その遡上も半月程早まっている様です。
 4月中旬頃には、サケ・マス稚魚の放流がピークを迎え、それを追うアメマスが最も活発化する季節となり、本格的な新緑の春が北国に訪れます。
2008.4.3

PH
08.3.12 1:00PM 撮影
湾外(外海)遠くにうっすら羅臼岳が望まれます。
PH
08.3.12 8:40AM 撮影
湾内は結氷、湾外は流氷に覆われた根室港。対岸に知床半島の山々がうっすらと見えます。
2008.3.12

カネヒロニュース/3月号
 本州では、春を先取りした果実や山菜などが出回る中、2月29日に日本最東端の根室・納沙布岬にはシベリアからの流氷が2年ぶりに接岸し、北海道の冬景色が大海原を覆っています。
 昨年末から操業が続けられてきたロシア200海里内でのマダラ底はえ縄漁の全船は、2月末に切り揚げています。期間を通して漁は不振で品薄感が強まり、比較的高値で推移した結果となりました。各船は、2ヶ月後の5月に解禁が予定されている、サケ・マス漁が始まるまでは休漁となりその準備期間となります。
 たら子・からし明太子の原料を供給する、羅臼のスケソウ刺し網漁も時化や流氷の合間をぬっての操業となり、まとまった水揚げがありません。3月末までの漁期ですが、これからの時期は卵巣の成熟が進み、質が落ちてきます。
 道東で取り扱われる3月の水産物は、年間を通して魚種・数量ともに最も少ない時期で、1年の海明けの漁とされる4月解禁予定の日本200海里内サケ・マス流し網漁まで、根室は活気のない静かな季節となります。

カネヒロニュース「つり情報」
 根室の3月は日中、プラスの気温の日が多くなり、各地で賑わいを見せていた氷上のワカサギ釣りも危険が高まります。3月上旬までが最後のチャンスとなり、ワカサギの味覚を堪能できる日もあと数日となります。
 野山にフキノトウが姿を見せ始める3月下旬からは、道東の各河川での支流域で早春のイワナ、ヤマメ釣りがシーズンを迎えます。釣り場には多くの残雪があり、スノーシューなどを利用することをお勧めします。ちょっとした深みがポイントとなり、1つのポイントに数十匹が溜まっているのがこの時期の特徴で、冬期間、飢えていた魚は目の前のイクラ等の餌に飛びつきます。ちょうちん釣りという2m前後の短い渓流竿に竿の3分の2ほどの長さの仕掛けを使用した釣り方が手返しが良く、数釣りに適しています。道東ではヤマメは資源保護のため5月から7月まで禁漁とされており、シーズンとしては4月末までとなります。
 湿原を流れる道東の河川の本流では、氷が落ちる3月下旬にかけて、イトウ、アメマスをターゲットとしたルアー・フライによる釣りがシーズンインします。今シーズンは、どのようなドラマが待っているのか、釣り人は多くの夢を描き、育みながら湿原へと足を運びます。
2008.3.3

PH
08.2.6 撮影
沖まで氷に覆われた根室港、この氷は流氷ではなく厳しい寒さで、この沿岸で凍ったものです。水平線には、知床半島羅臼の山々がうっすら望まれます。
2008.2.6

カネヒロニュース/2月号
 1年で最も厳しい寒さを迎える北海道。根室でも1月下旬にまとまった積雪を記録し、本格的な冬景色を感じられるようになりました。
 根室の前浜では、厳寒の海で昔ながらの伝統漁法が展開されています。コマイ、チカ、ワカサギ等の魚種を対象とした汽水域で氷の下に網をはる氷下待ち網漁、小舟から身を乗り出し、箱眼鏡を覗きながら海底に潜むウニをすくい取るタモウニ漁、小道具を使用し、海岸の岩に張り付いた海藻を採取するフノリ漁など自然の恵みを知恵と工夫を凝らした漁法で採取する漁は前浜漁師にとって冬季間の貴重な収入源となっています。
 その反面、最新鋭の機器を搭載し、ロシア200海里内でマダラを対象として操業を行っている中、大型船はアラスカ産等の輸入原魚の増加にともない、金額的に厳しい操業を強いられています。ロシア側のオブザーバーの乗船による改善整備(シャワー等)、が整っていない小型船は出漁できない状況となっており、資源大国の強気の姿勢がここでも大きな波紋を呼んでいます。根室の漁業はロシア200海里内での操業に大きく依存しており、今後、獲る側、獲らす側の考えのギャップがますます大きくなるのは避けられないでしょう。水産関連だけでなく、都市として色々な問題を抱えている根室にとってはその流れに逆らう事ができず、より一層、厳しい情勢が後押し、暗中模索しています。
 この時期、(株)カネヒロは数少ない前浜、北海道産たらこ、からし明太子の生産がピークを迎えます。年々、アメリカ産やロシア産の原卵を使用した製品がそのシェアを占める中、素材本来の味を最大限に引き出した風味豊かな一品が魅力の(株)カネヒロのつりたらこ、からし明太子を是非、ご賞味下さい。

カネヒロニュース「つり情報」
 1月下旬からの連日の冷え込みにより、湖面を覆っている氷の厚さも30cm程度となり、各地で氷上のワカサギ釣りが最盛期を迎えています。年々、環境の悪化によって自然繁殖のみの水域では、その生息数を減らしています。しかし、内水面漁業権が設定されている水域では、資源管理に力が注がれており、安定した釣果が期待できます。冬のレジャーとして人気のワカサギ釣りですが、その釣法をヒントに氷上のニジマスやアメマスなどのトラウト類を専門に狙う釣り人が年々、増加しています。通常、使用するルアーロッドにフックとシンカーのみのシンプルな仕掛けに餌はブドウムシ、ミミズなどが効果的とされています。あとは、竿先に取り付けた鈴が鳴るのを根気よく待つだけです。この釣りのポイントは、その日の遊泳層をいち早く見つける事が重要で、1尾を釣るまでは小まめな手返しが必要となります。この釣りで50cmを超える大型魚も記録されています。釣りあげたニジマス等は自然の冷蔵庫で瞬時に凍り、ルイべでも食されます。ニジマス等が生息する湖沼やダムであれば、どこでもその可能性があり近郊に存在する水域で挑戦する価値はありそうです。
 氷が落ちるまでの約2か月間、春の息吹が芽生えるまでは水面を見ない釣りが未知なる可能性を広げます。
2008.2.4

PH
つい2、3日前に-34℃以下の最低気温を記録した旭川などの寒い地方に比べるとまだましな根室ですが、連日の氷点下の厳しい寒さで根室港は結氷し、春まで冬眠状態が続きます。
(今年の根室の最低気温は、今のところ 1月19日の-11.2℃です。)
2008.1.21

カネヒロニュース/1月号
 根室の納沙布岬からは初日の出を拝む事ができ、穏やかな年明けを迎えています。
 昨年、12月28日の最終セリから1週間、1月5日には根室・花咲市場で今年の初セリが行われ、ロシア200海里内で漁獲されたマダラやスケソウタラなど約9,000函が水揚げされています。水揚げ量が多かった事もあり、昨年の初セリ価格より2割程安値で取引きされていますが、最終セリの勢いはそのままで依然、高値傾向で推移しています。
 年末、小型魚で苦しんだ底建網コマイ漁は年明けも続けられ、冬季間、根室の沿岸漁業者の貴重な収入源となっています。昨年の1月はオオマイと称される大型魚の大漁でにぎわいましたが、今後の漁模様が注目されます。
 根室管内サケ・マス増殖事業協会が管理している根室市内の別当賀、落石の各ふ化場で昨年、採卵された秋サケの受精卵が次々とふ化し、稚魚が誕生しています。4月上旬から5月中旬にかけて各河川に放流され、約4年後、根室沿岸に回帰します。また、海中飼育等の試みも実施される予定でより効率の良い成長に期待が寄せられています。

カネヒロニュース「つり情報」
 地球温暖化の影響は、世界各国のへき地から顕著に現れると言われていますが、日本最東端の道東地区でも例年と異なった現象が見受けられます。
 この時期、厚い氷で覆われ氷上のワカサギ釣りでにぎわう各地の内水面ですが、何ヶ所かで年が明けても結氷していない所があります。大場所では、国道44号線に面した厚岸の別寒辺牛、チライベツ川から厚岸湾に通じる水域がそうです。また、越冬のためシベリアから本州に渡るカモやハクチョウの姿も依然、多く見られ、関係者を驚かしています。最盛期を迎えているエゾシカ猟も積雪が極端に少なく、4輪駆動車で比較的簡単に入林できるため、人目に付かない大きな沢に身を潜めたまま、日没までその姿を現す事が稀になっています。
 その様な状況の中で、北海道ではオフシーズンとされてきた冬季の河川での釣りですが、結氷していない釧路川や十勝川などの大河川で大型のアメマスを狙う釣り人が増加しています。釣り雑誌等で紹介されたのが火付けとなり、60cm以上の大型魚をターゲットにしたダイナミックな釣りが紹介されています。ルアー、フライ等を使用した釣りで、何より寒さに耐える集中力が必要とされます。この様な釣りでは1匹の釣果に大きな価値があり、シーズン中にない満足感を味わう事ができます。
 1月の海釣りでは正月休みを利用した道東沖、太平洋での遊魚船がその数を増やしており、ソウハチ、スケソウタラ、カジカ等の五目釣りを楽しむ事ができます。海岸では冬の北の海の主役とされるチカやコマイの釣果が報じられています。
2008.1.8

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